風の音

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

誰がために

2010/09/12(初出) 2015/10/21(加筆・修正) ≪臨時花嫁≫

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

『今日は何にしようかな?』
夕鈴は今日の夕飯のことを考えていた。
この間、初めて陛下に手料理を振舞ってからたまに自分で作るようになった。
いつもしていた主婦業を思い出して、ウキウキとする。
ふと過ぎるのは『美味しい』と言ってくれた陛下の顔。

陛下は何が好きかしら?

陛下に詳しい李順さんに聞いてみることにした。
「さあ?陛下は基本何でも食べられますから。それよりも、栄養配分をきちんとしてくださいよ?陛下がおっしゃるから、仕方なく貴女に料理していただいてるんです」
と、チクチク姑みたいに言われた。
ムッとしながらも厨房へ向かい、料理の準備に取り掛かった。

「あれ?今日は夕鈴の手料理なんだね!」
陛下の嬉しそうな声が厨房に響いた。
「はい。打倒!李順さんですっ!」
夕鈴はオタマを振り上げて力強く言った。
「・・・・・・夕鈴。」
ふわっと陛下が夕鈴を後ろから抱きしめた。
「へ・・・陛下っ!?あのっ、料理中なので危ないですよ」
陛下が怪我でもしたら大変だと、夕鈴は慌てた。
「夕鈴は誰の為に料理してるの?」
そう問われて夕鈴は固まった。
顔を上げてみると悲しそうな陛下の顔。

この顔を見るために料理をしているわけじゃない。

「あのっ・・・あの、陛下のためですっ!」
夕鈴はオタマをぐっと握り締めた。
「そっか。」
ふにゃっと小犬が顔を出した。
「それより夕鈴、何だか焦げ臭いよ?」
「え?きゃ~!!鍋が!!」


「料理が一品減ってしまってすみません」
しょんぼりとする夕鈴に陛下が笑顔で言う。
「とっても美味しいよ」
それを見て『また手料理を作っちゃうんだろうな~』と夕鈴は顔を赤らめて思うのでした。


スポンサーサイト
«日記  | HOME |  ただいま»

*** COMMENT ***

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。