風の音

いい夫婦の日

2015/11/22 ≪花嫁≫

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

“夫婦”になっても夕鈴は夕鈴で。
変わらない所が好きなんだけど、でも変わってほしいと思う所があるのも本当。
妃になった夕鈴に贈り物をしようと思っても
「そんな高いものはいりません」「勿体ないです」「必要ありません」
と断られてしまう。
夫が妻に贈り物をするのは普通だと思うんだけど・・・。
夕鈴って頑固だよね。
いや、頑なというべきか・・・。
僕としてはもっと甘えてほしいんだけど。
そうそうこの間、浩大が
「11月22日は語呂合わせで“いいふうふ”の日らしいっスよ」
と言ってたな。
“いいふうふ”ってやっぱり仲良し夫婦ってことだよね。
足取りも軽やかに夕鈴の元へ行く。
「あの~~陛下、何でこうなっているんでしょうか?」
僕の膝の上にちょこんと座っている夕鈴の顔は赤く染まっている。
今日はいつもとちょっと違う。
「はい、あーん」
甘いお茶菓子を夕鈴の口に運んでいるのだ。
最初は拒んでいた夕鈴も諦めたようで、おずおずと口を開けてくれる。
「美味しい?」
小犬の顔で聞けば
「・・・はい///」
と答えてくれる。
いつまで経っても初々しくて可愛い。
変わってほしくない所。
「今日はいい夫婦の日なんだって。だから、たくさん甘えてね」
「!?む・・・無理です!」
ブンブンと首を横に振られて、しゅんとする。
「そんなに、嫌なの・・・?」
「あっ・・・違っ・・・嫌とかではなく、てですね・・・」
「何なの?」
顔を夕鈴に近づければ、目を逸らされる。
「夕鈴」
優しい声音で囁けば、ピクッと跳ねる体。
「甘えるのは・・・あの、その・・・どうしたらいいのか分からなくて・・・」
もごもごと言いながら、ことんと頭を僕の方へ預けてくる。
う・・・ものすごく可愛い・・・
ぎゅうっと抱きしめれば、戸惑いながらも手を伸ばして受け入れてくれる。
素直に嬉しいと思う。
「夕鈴、僕にあーんはしてくれないの?」
名残惜しいけど、少し体を離して夕鈴を見る。
「あ、お菓子・・・」
そう、お菓子箱の中はもう空っぽ。
お菓子箱の方を見ていた夕鈴を自分の方に向かせて口付ける。
「んんっ!?」
驚いた夕鈴は両手で僕を押しのけて距離を取ろうとするが、そうはさせない。
片方は夕鈴の後頭部、もう片方は腰に手をまわす。
甘い口付けに酔いそうになりながらも、そっと唇を離して夕鈴を見るとフルフルと震えていた。
やりすぎた・・・かな?
でも・・・
「美味しかったよ」
「へーかの・・・ばかぁ・・・///」
林檎よりも真っ赤な顔の夕鈴が精一杯の抗議をした。
可愛い兎がウルウルした瞳で見つめてくるけど・・・そんなんじゃ、小犬にも食べられちゃうよ?




――― 次の日
今日も夕鈴を膝抱っこして、「あーん」をしていた。
「もういい夫婦の日は終わりましたよ!」
と夕鈴がぷくっと頬を膨らませている。
「今日は“いい夫妻”の日だからな」
狼のまましれっと言い、ニヤッと笑う。
「んなっ///!!」

お嫁さんと今日も甘々な一日を・・・。


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