風の音

真を写すもの

2011/01/01 期間限定SS 2015/12/14(加筆・修正) ≪臨時花嫁≫

※ イラスト入りのSSだったように思うのですが、どこかへいってしまったので、
   文章だけでお楽しみください。

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

「あの~・・・陛下。くっつきすぎです・・・!」
夕鈴は陛下に抱きしめられようとしていた。
夕鈴は両手で陛下との距離を取ろうとするが、背中を押されて距離は縮まらない。
むしろどんどん近づいている気がしてならない。
「ほら、夕鈴。少し上見て笑って」
ニコニコ笑顔でぐいっと顎を上にあげられる。
「~~~っ///」
声にならないし、顔が赤くなるのが自分でも分かる。
「夫婦なんだからちゃんとそう見えるようにね」
少し前、陛下のお願いに深く考えずに「はい」なんて言ってしまったのが問題だったと頭を抱える。
「こ・・・こんなにくっつかなくてもいいじゃないですか・・・!」
二人で並んで撮ると思っていた夕鈴はパニックになりかけている。


『写真』を撮る人が来て陛下が興味を持ったのが事の始まり。
何でも、絵画とは違って鏡のように物を写すことができるんだとか。
「そんなもの撮って外にでも出たらどうするんですかっ!」
そう言う李順のご意見はごもっとも。
『たまにはよい事を言う!』と夕鈴もその意見に賛同して、コクコクと頷いて陛下を止めようとした。
「え~」
陛下がものすごくがっかりした表情を浮かべた。
李順がどんなに陛下に意見をするも、最終決定権は陛下にある。
「絶対に絶対に外へ出さないでくださいよ・・・」
説得が上手くいかず、がっくりと肩を落とした李順に夕鈴は同情する。
「あのっ・・・私も映らないといけないんですか・・・?」

偽者の妃が陛下と二人で、なんて。

夕鈴の顔が曇ったのを見て陛下が笑顔で言う。
「大丈夫。僕の我儘だからね。ちゃんと外に出ないようにするよ」
そう言われてしまっては、断ることは出来ず「はい」と答えるしかなかった。


――― 数日後。
「夕鈴、写真できたよ!」
陛下から見せてもらった写真を見て顔から火が出る。

私ってばなんて顔して写ってるの・・・

「夕鈴は写真で見ても可愛いね」
「なっ・・・何言ってるんですか!?」
子犬陛下のしっぽがパタパタと嬉しそうに振られている様に見える。
そのすごく嬉しそうな顔を見て、撮って良かったかな?と思う夕鈴なのでした。

次に発せられた陛下の言葉を聞くまでは。

「この写真、自室の机の上に飾っておこう♪」
「!!!?」


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