風の音

る、まで発音できない

2016/02/03 ≪臨時花嫁≫

六のお題 【言い換えると】 5
※ このお題は6つあります。
  どこから読んでもよいように書いていきます。
  お題消化も順番通りに進みません・・・。見通しゼロ(笑)

お題配布元 → as far as I know 様

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

「『愛している』と言ってはくれないのか?」
膝抱っこの上、腰に手を回されて逃げ場のない夕鈴は顔を赤く染め、プルプルと震えている。
口を開きかけては閉じること数回。
陛下が夕鈴の顎をクイッと持ち上げ夕鈴を見ると、夕鈴の瞳には涙が溜まっていた。
「ん?」
言葉を促すようにそう言う。
狼陛下の悪戯な笑みに降参した夕鈴は、大きく息を吸い込む。
「あ・・・あい、し・・・て」
そこまで言って夕鈴は口を閉じた。
「夕鈴」
瞳に口付けされ、陛下の手が夕鈴の顎から放れる。
「『愛している』」
夕鈴の瞳をじっと見つめて優しくそう言う狼陛下はやっぱり酷い人だ、と夕鈴は思う。

嘘つき・・・本当はそんな事少しも思っていないくせに・・・

きっと近い将来、私じゃない誰かに囁く愛の言葉。

だけど、私だってプロ妃!

ドキンと跳ねる鼓動とズキンと痛む心を隠す。
目を閉じて陛下へしな垂れかかる。
ドキドキはするけれど、どこか安心したものに包まれた感覚に陥る。

どうか、貴方が気付きませんように―――・・・

絶対に誰にも気付かれてはいけない恋心。
だけど、今この時だけ。
そっと本音を混ぜる。
本当は、気付いてほしいのかもしれない。
「私も・・・愛しています・・・」
そう言うと、ドクンッと少し大きく心臓の跳ねる音が聞こえた気がした。
ん?と不思議に思って陛下を見上げる。
そこには、口に手を添えて明後日の方向を向いている陛下の姿があった。

耳が赤いような気がするけど・・・

私の気のせいかしら?

「陛下?」
見上げながら首を傾げる。
「分かってる。僕には罠だって分かってる・・・」
ブツブツとよく分からないことを呟く陛下。
もしや・・・と思った夕鈴は行動に移す。
「陛下、少し失礼します」
夕鈴は陛下の前髪を掻きあげ、陛下のおでこに自分のおでこをくっつけた。
「!!?」
「んー。熱はないようですね」
おでこを離して陛下を見ると、さっきより赤い顔になっている。

やっぱり、おかしい。

「陛下、具合が悪いのでは?」
心配そうに見つめる夕鈴と目が合った陛下は
「兎の罠はやはり巧妙になったな・・・」
そうポツリと呟き、肩を落とした。
「?」
さっぱり意味の分からない夕鈴は、首を傾げた。


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