風の音

この痛みまで、

2016/02/18 ≪臨時花嫁終了≫
君を、愛する お題 4
夕鈴視点です。

お題配布元 → 確かに恋だった

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

突然、バイト終了を告げられた。
もともと短期のバイトだったから、ずいぶん長いこと続けていたな、と思う。
いつか来ると分かっていた日が来ただけのこと。
陛下が決めたことならば、私は何も言う資格はない。
本来の私に戻っただけ。
でも、
季節を一巡して、陛下と過ごした日々は、“悪い夢”なんかじゃない。
忘れる事なんて、できない。

ほら、元の生活に戻れてよかったじゃない!
可愛い弟の側に居られるし!
やらなきゃいけない事は山ほどあるわ!

だけど、

だけど、

どんな事をしていても思い出す。
怖くて、でもとても優しい王様の事を。
ちゃんと食べてきちんと寝ているかしら?
政務室の皆を必要以上に怖がらせてないかしら?
体調を崩してないかしら?
次から次へと貴方への思いだけが溢れてゆく。
それを受け止めてくれるものは何もなくて、歯がゆい。
私の身を案じて『王都を離れるように』だなんて、ただのバイト相手にどこまで優しいんだろうか。
狼陛下も貴方なんだと知って、さらに想いは募る。
頬を流れる涙は、もう逢えない事への悲しみなのか、想いを伝えられなかった後悔なのか。
下町の噂話は尽きなくて、真実は何てあやふやなんだろう。
貴方とのことを思い出す度に、この胸は締め付けられるように痛む。
でも私は
この痛みまで、愛している。


スポンサーサイト

*** COMMENT ***

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう