風の音

いっぱい抱きしめたい

2016/05/03 ≪臨時花嫁≫
六のお題 【言い換えると】 2

お題配布元 → as far as I know 様

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

ぎゅ~っと可愛い兎を腕に閉じ込める。
どれ位そうしていただろうか。
「へーか。苦しい、です・・・」
ついに、兎が訴えた。
「もうちょっとだけ、ね?」
小犬が首を傾げておねだりする。
「う・・・。もう少し、お手柔らかに願います・・・」
兎が譲歩したのをいい事に、少し力を柔らげて、それでも兎が逃げ出せない力加減で抱きしめる。
「どうしたんです?何か嫌な事でもありましたか?」
兎は優しく頭を撫でてくれる。

君は僕の母親なのか・・・

と、思うほど慈愛に満ちた優しい声。
つい何もかも話してしまいそうになる気持ちをグッと抑える。
君は知らなくていい事。
もし、知ってしまったら、君は僕の側からいなくなってしまうだろう。
何故だか今はそれが怖い。
何も言わない僕にまた心地よい声が掛けられる。
「話したくなったら話してくださいね。いつでも、私は聞きますよ」

君には僕の弱い部分は見せたくないのにな

君の前ではつい出てしまう小犬の本性。
「夕鈴とずっとこうしていたい」
ポツリと呟いた言葉に彼女は過剰に反応した。
「ずっとですか!?そ・・・それは困ります」
「どうしてだ?」
狼がひょっこり顔を出す。
「今だって、陛下にお茶をお出ししたいと思っているのに、動けないんですよ!!」
「・・・」

何か・・・僕が思っていたのと違う反応

「今日はとびきり美味しいお菓子もあるんですっ!」
「だから、放してください~」と腕の中でジタバタする兎を解放した狼は、兎をじっと見つめる。
「どうしました?」
ほっとした表情を浮かべて、首を傾げる兎。
それが少し気に食わない。
兎の柔らかな頬に唇を寄せる。
「今日はこれで許してあげる」
口をパクパクさせて真っ赤になった兎を満足げに見つめる。
「なっ・・・何するんですかぁ~!」
可愛い耳まで真っ赤になった兎。
明日はどうやって抱きしめようか、と小犬の皮を被った狼は考える。


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