風の音

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しあわせを呼ぶ

2016/05/10 ≪花嫁≫

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

とある書物を読んでいて見つけた記述。
「そういえば、今日は・・・」
日付を確認する。
書物に描かれている花が、後宮の庭に咲いていたことを思い出し、探しに行くことにした。
5月とはいえ、日が差している時間帯は気温が高くなる。
まだ体が暑さになれていないせいか、余計暑く感じる。
木々の緑が綺麗なこの季節。
色とりどりの花も咲き始め、後宮の庭は一気に華やかになる。
「え~っと・・・確かこの辺に・・・。あった!」
お目当ての花は、大きな木の陰に咲いていた。
綺麗に並んでいるぷっくりとしたその白い花。
指で軽くツンと触ると、『リン♪』と鈴の音が聞こえる気がする。
「少し、頂戴ね」
パチンと鋏で切って部屋へと持って帰った。

*  *

日が暮れて、陛下が後宮へとやってくる。
「ただいま、夕鈴」
「おかえりなさいませ」
いつもの挨拶の後、
「夕鈴、これ」「陛下、どうぞ」
お互いが差し出したのは、スズランの花束。
「「あっ!」」
それに気付いて二人が笑い合う。
「一緒のこと、考えてたね」
「はい」

今日は、5月1日。
遠い異国では『スズランの日』。
愛する人にスズランを贈り、贈られた人には幸福が訪れると言われている。

「折角なので、お部屋に飾りましょう」
夕鈴は手際よく、小さな花瓶に次々とスズランを挿していく。
夕鈴の花束は小振りだったが、陛下の花束は夕鈴のそれより大きくて、部屋の至る所に飾られた小さな白い花。
儚げな姿だが香りは強く、部屋中スズランの香りでいっぱいになる。
「いかがでしょう?」
花瓶を置き終えて、陛下の方に近づく夕鈴が連れてくる爽やかな香り。
陛下が夕鈴を優しく抱き寄せる。
「スズランって夕鈴みたいだよね」
「そうですか?」
「狼陛下に春を、幸せを運んでくれる」
名残惜しいが、夕鈴の肩に手を置いて顔を見る。
「スズランの花言葉は『幸福が訪れる・純潔・純粋・意識しない美しさ』」
夕鈴は頬を桃色に染めながら
「言い過ぎです」
でも、嬉しそうに微笑んだ。
軽く触れる口付けをして、夕鈴を抱っこする。
「陛下・・・でも、スズランって毒がありますよね?」
私、毒なんて持ってませんよ!と夕鈴は少し頬をぷくっと膨らませる。
夕鈴を優しく寝台に降ろして、見下ろす。
「夕鈴には毒があるよ」
クスッと笑う陛下の顔は狼で、夕鈴は背筋がゾクッとする。
「どんな毒ですか?」
恐る恐る聞いてみると、陛下の顔が近づいてきて耳元で言われた。
「『狼陛下を夢中にさせる毒』かな」
「っ!」
狼陛下のどこか熱を含んだ声に困惑していると、そっと優しい口付けが落ちてきた。



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*** COMMENT ***

幸せで甘ーいお話だぁ\(^^)/
風音さんのお話はいつもほんわかさせていただけて読んだ後に、ため息が出ますよぉ♡
これで仕事も乗り切れそうです♪

まるねこ様

お返事遅くなってすみません;
そう言っていただけて嬉しいですヽ(*´ω`*)ノ
ほのぼのしたお話は難しいので、毎回どうかな?と思いながら書いてます。
お仕事乗り切れたでしょうか・・・。

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