風の音

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ぬくもりとともに

2016/05/20 ≪花嫁≫
短めのお話です。

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

「あのっ・・・陛下?」
「うん。なあに?」
ここは『冷酷非情の狼陛下』が統べる白陽国・・・の後宮。
その後宮には狼陛下の唯一の花嫁がいる。
とある日の昼下がり、仕事が落ち着いた陛下とその花嫁―夕鈴は仲睦まじく後宮の庭を散策していた。
「あのですね・・・何で手を繋いでいるんでしょう?」
そう、ここは後宮の庭。
人払いもしてあり、二人きりである。
手を繋いで歩くことに恥ずかしさを感じた夕鈴が頬を染める。
「えっ!?嫌だった?じゃあ、抱っこにする?」
そう言うが早いか陛下は夕鈴をお姫様抱っこしようとする。
「違っ・・・!あのっ、手で!手でいいですっ!」
陛下に抱っこされないように夕鈴はワタワタとする。
夕鈴のそんな姿も可愛いな、と陛下は思い破顔する。
「じゃあ、はい!」
にっこにこの笑顔で差し出された陛下の手の平に夕鈴は自分の手をそっと置く。
先ほどより少し強く握られた手に、夕鈴の心臓がバクバク音を立てる。
想いが通じたその日から陛下は夕鈴のことをことさら優しく扱う。
それはまるで、自分から離れていかないようにと繋ぎとめるような優しさで。

・・・不安にさせてるのかな?

自分も好きだと告白したけれど、どこか不安にさせるような所が自分にはあるのかもしれないと夕鈴は思っていた。
でも、それが何なのかは分からず。
「陛下、好きです」
ポロリと零れた言葉にしまった!と口を手で隠し、陛下を見る。
驚きで見開かれた瞳に、夕鈴は頬がかあっと熱くなるのを感じた。
口に当てた手をそっと外される。
「夕鈴、もう一度言って?」
近づいてきた陛下の瞳は、どこか不安げに揺れている気がした。
「・・・好きです」
そう言って、唇を寄せる。
自分からの口付けは恥ずかしくてパッと陛下から離れる。
「そう言えば、あそこに綺麗な花が咲い・・・」
くるりと向きを変えた夕鈴を陛下は後ろから抱きすくめた。
「僕も好きだよ」
「・・・っ!///」
耳元で優しく囁かれた言葉に夕鈴の体から力が抜ける。
陛下はそれにも慌てず夕鈴を抱き上げる。
「我が妃は実に愛らしいな」
フッと表情を緩めた狼に兎は完全に逃げ場をなくす。
真っ赤な顔を見られたくない夕鈴は、陛下の首に腕を巻き付けてぎゅうっと抱きしめた。
「今日は大胆だな」
どこか嬉しそうに言う陛下にドクンと心臓が跳ねる。

この温もりを手放さないように、どちらからともなく腕にそっと力を込めた。




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*** COMMENT ***

甘い(〃▽〃)素敵です♡
なんかこちらが照れてしまいそうなかわいいお話、ほっこりしました(*^_^*)

まるねこ様

甘いですか(´艸`*)
夫婦になりたての頃をイメージして書いたので、嬉しいです。
いつもコメントありがとうございます(*^^*)

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