風の音

願う声

2016/07/03 ≪花嫁≫
もうすぐ七夕なので・・・

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

数日前から侍女さんたちと七夕飾りを作っていた。
笹は李順さんに頼んで用意してもらったものを、後宮の庭へ行く出入り口に飾った。
短冊は陛下と自分の分以外にも、李順さん・浩大・老師・侍女さんたち・・・といろんな人に配った。

こういう行事は、皆でやったほうが楽しいものね!

陛下以外の皆は短冊をもらって、願い事を書いて笹につるすのを躊躇っていたけど、私があまりにも熱心に言うものだから承諾してくれた。


そして、七夕当日。
「陛下の願い事は何ですか?」
本物の夫婦になっても、陛下について知らないことは多い。
できるなら、陛下のことをいろいろ知りたいと思うのは、私の我儘だろうか。
夫婦になってもどこか掴みどころのない陛下に、少しだけ寂しさが募る。
「『夕鈴とずっと一緒に居られますように』」
そう言う陛下に、頬を少し膨らませた。
「そんなのお願いしなくても、私はずっと陛下のお傍にいますよ!」
そう言うと、陛下が優しく微笑んだ。
「他に!他に願い事はないんですか?」
「う~ん。じゃあ、『夕鈴がずっと僕のこと好きでいてくれますように』」
「!!」

私が陛下のこと、嫌いになるわけがない・・・のに

チラリと陛下を見ると先ほどと変わらない笑みを浮かべている。
でもそれが返って不安を煽る。
「私は陛下のこと・・・これからもずっと・・・好き、ですよ・・・」
恥ずかしさでいっぱいになり、最後の方は小さい声になってしまった。



「我が妃はいつまでも愛らしいな」
フッと笑った狼に兎は少し怯える。
夕鈴の顎を持ち上げて口付けをする。
深く長い口付けに夕鈴の体から力が抜けてゆく。
それをいい事に、ひょいっと抱き上げて長椅子に膝抱っこをして腰かける。
「ところで、夕鈴は短冊に何をお願いしたの?」
手に持っている短冊を覗き見ようとしたら、サッと隠された。
「見ちゃ駄目ですっ!」
顔を真っ赤にして、少し涙目になっている夕鈴に睨まれた。

僕の願い事は聞いてきたのに、自分の願い事は教えてくれないのか・・・

決まり悪くなったのか、おずおずと僕と目を合わせる。
「内緒です///」
人差し指を口に当てて、あまりにも可愛く言うものだから、それ以上聞くのは止めた。

まあ、後で夕鈴が笹につるした短冊を見ればいいか・・・

夜にまた会う約束をして、仕事に戻った。


夜、辺りが寝静まったころ、夕鈴を起こさないようにそっと寝台から抜け出る。
笹には短冊だけでなく、夕鈴と侍女たちが準備したといういろいろな飾りもついていた。
それぞれの飾りにも意味があるらしいのだが、詳しくは覚えていない。
短冊は数枚飾られていてその中から夕鈴の短冊を探す。
チラリと捲った最初の短冊には『世継ぎじゃ~』と書かれていた。
「・・・老師か」
少しげんなりとしながら、次に捲ったのには『迅速な仕事の処理をお願いします』と書かれていた。
「李順か・・・」
その他にも『もっとお妃さまを着飾らせてくださいませ』『美味い酒』など思うまま書いてあった。
やっと探し出した夕鈴の短冊は、大きな飾りに隠れるようにそっとあった。
短冊を手に取り、それを読む。

『陛下が幸せでいられますように・・・』

細く整った夕鈴の字でそう書かれていた。
こっそりと夕鈴の願いを見て叶えようと思っていた自分から自嘲の笑みが零れる。
自分のことではなく僕のことを願う、その想いに心が満たされる。
「夕鈴らしいな」
そっと短冊を元の位置に戻して、寝台へ戻る。
幸せそうに眠る妻を優しく抱き寄せて目を閉じる。

明日の朝一番に、夕鈴に伝えてみようか


『僕は君がいてくれて幸せだ』 と・・・



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*** COMMENT ***

はぁ\(//∇//)\甘い♡
かざねさんとこはいつ来ても安心できる本誌沿い設定でブレないから大好きです。
読んでいてこちらまで幸せになるような小話をありがとうございました♪
あと1時間仕事乗り切れそうです!

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まるねこ様

甘いですか(*´▽`*)よかったです。
ブログは本誌沿い設定のほのぼのしかないので、
もうそろそろ皆様の飽きがきていないか心配だったのですが、
そう言っていただけて嬉しいですv
お仕事お疲れさまでした!

もも様

ももさんにそう言っていただけて嬉しいですヽ(*´▽`*)ノ
このブログには、ほのぼのなお2人しかいませんが、
また遊びに来てくださいませ~。

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